こちらのリンクから資料をダウンロードできます:税務上のオーストラリア居住者の外国所得および全世界所得This link will download a file (PDF, 742KB)
外国所得および全世界所得とはどういう所得ですか
税務上のオーストラリア居住者には、世界各地で得た所得をオーストラリアでのタックスリターンで申告する義務があります。これは「全世界所得(worldwide income)」と呼ばれます。外国で得た次のような所得が含まれます。
また、外国法人や外国信託における利息や関与がある場合、帰属外国所得(attributed foreign income)が発生することがあります。これは、現時点では未分配で帰属予定の所得を指します。
雇用および個人サービスによる所得
海外勤務した場合や、オーストラリア国外所在の組織にサービスを提供した場合に受け取った所得をオーストラリア国内で得た所得と同様に申告する義務があります。これには、次のような所得が含まれる場合があります。
- 給与および賃金
- 役員報酬
- コンサルティング報酬
- 事業所得
- その他の報酬
また、海外で運営されているオンラインプラットフォームから受け取る支払いが含まれる場合もあります。例えば、コンテンツクリエイターやインフルエンサーとして活動し、海外から報酬を受け取っている場合などです。
資産・投資からの所得
海外の資産を保有したり海外への投資(海外の銀行口座を含む)を運用している場合、該当する収益を、オーストラリア国内で得たものと同様に申告する義務があります。これには、次のような所得が含まれる場合があります。
- 銀行預金や債券からの利息
- 株式配当
- 知的財産の権利使用料
- 不動産の賃貸収入
- マネージドファンドからの年金、年金保険、一時金
- 退職年金基金からの定期的な所得
- 外国法人等から帰属される所得(帰属外国所得)
- 一部の政府年金
外国資産のキャピタルゲイン
海外に資産を保有している場合、その資産を売却した際には、オーストラリアのキャピタルゲイン税(Capital Gains Tax)を支払う義務が生じることがあります。そのため、適切な記録を保管しておく必要があります。
税務上のオーストラリア居住者になる前に海外資産を取得した場合、その資産は税務上の居住者となった時点で取得したものとして扱われます。
同様に、海外資産を保有したまま税務上のオーストラリア居住者ではなくなった場合、税務上のオーストラリア居住者でなくなった時点で資産を処分したものとみなされます。
キャピタルゲインまたはキャピタルロスを正確に計算するため、これらの時点における資産価値の記録を必ず保管してください。この分野は税法上複雑であり、一定の免税措置が適用される場合があります。
外国所得および全世界所得に対するオーストラリアの税金の支払い
税務上のオーストラリア居住者であり、かつ次のいずれかに該当する場合
- 一時居住者ビザ(temporary resident visa)を保有している場合
- 外国所得の多くは、オーストラリアでは課税されません
- ただし、一時的な税務上のオーストラリア居住者として海外で実際に行った労働に係る所得の一部は、オーストラリアで課税されます
- 外国所得を得ている場合
- 当該所得に対して、オーストラリアと外国の両方で課税される可能性があります
- 外国所得に対して外国で支払った税金は、オーストラリアの外国所得税控除(foreign income tax offset)の対象となる場合があります
- オーストラリアと租税条約を締結している国から所得を得ている場合
- その国の税務当局に居住者証明書(certificate of residency)および海外税務救済申請書(overseas tax relief form)を提出し、次のいずれかを求めることができます
- 源泉徴収税率の引き下げ
- 当該国が当該所得について課税権を有しない場合の免税
- その国の税務当局に居住者証明書(certificate of residency)および海外税務救済申請書(overseas tax relief form)を提出し、次のいずれかを求めることができます
オーストラリア政府機関の職員(規律部隊の隊員を除く)が、オーストラリア政府開発援助(Official Development Assistance: ODA)の提供業務から得る所得は、現在は課税対象となります。ODAの提供に従事する規律部隊の隊員については、引き続き免税が適用される場合があります。
外国で支払った税金
外国でその所得に対する税額をすでに支払っている場合、オーストラリアの外国所得税控除(Australian foreign income tax offset)を受けられる可能性があります。
外国所得税控除を受けるには、次の条件を満たす必要があります。
- 当該所得に対する税金を外国で実際に支払っていること
- 税金を支払ったことを証明する記録を保有していること
また、当該外国は当該所得についての課税権を有する必要があります。当該国が課税権を有していない場合は、支払った税額の払戻しを当該国に請求することができます。
なお、受けられる控除額は、外国で支払った税額と同額になるとは限りません。控除額が1,000ドルを超える場合は、まず外国所得税控除限度額(foreign income tax offset limit)を計算し、控除が認められる金額を確認する必要があります。
外国勤務による所得への免税
次のような状況に限り、外国勤務による雇用所得に対するオーストラリアの所得税が免除されることがあります。
- 一定の外国勤務(foreign service)
- 承認された海外プロジェクトへの従事
- 特定の国際機関のためのオーストラリアでの勤務
- オーストラリア国防軍(Australian Defence Force)隊員としての海外派遣
- オーストラリア・米国共同宇宙プロジェクト、またはオーストラリア・米国共同防衛プロジェクトへの従事
これらの状況および適用条件の詳細については、外国雇用に係る非課税所得(Tax exempt income from foreign employment) を参照してください。
外国所得のオーストラリアドルへの換算
タックスリターンの際に、すべての外国所得、控除額、および税控除をオーストラリアドルに換算して申告する必要があります。
状況や所得の種類に応じて、次のいずれかの方法を使用できます。
複数年にまたがる外国所得の按分
オーストラリアとは異なり、多くの国では会計年度の終了日は6月30日ではありません。そのため、外国所得および関連する税控除を、何回かのオーストラリアのタックスリターンに分けて申告する必要がある場合があります。
この場合、所得額がどのオーストラリアの会計年度に対応するかを計算し、それに応じて適切に按分する必要があります。
監査および検証
当局では監査および検証を実施しています。タックスリターン時に提供された税務情報を、以下のような第三者から収集したデータと照合しています。
- 銀行
- 金融機関
- 投資機関
- 雇用主
- その他の政府機関
銀行に登録されている氏名、住所、タックス・ファイル・ナンバー(TFN)などの個人情報が正確であることをご確認ください。これにより、情報の不一致が見つかった場合に、オーストラリアまたは他国から確認手続きが不必要に行われるのを防ぐことができます。
また、当局は各国の税務当局と金融口座情報の受領および交換を行っています。これは、海外に金融口座を有する税務上のオーストラリア居住者の税法遵守状況を確認するためのものです。外国所得を申告しない場合、罰則や延滞利息が課される可能性があります。
本資料は一般的な概要のみを示したものです。
詳細については、英語版の情報(ato.gov.au/foreignincome)をご確認いただくか、登録された税務専門家にご相談ください。