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税務と居住権

To understand your tax situation, you need to know if you are a resident for tax purposes - Japanese translation.

Last updated 20 October 2025

税務上の居住権は、他の目的における居住権と異なる場合があります。入国管理上、オーストラリア国民、または永住者ではなくても、税務上は居住者となる場合があります。

居住権と税

個人は、オーストラリア居住者または海外居住者のどちらかに分類されます。そのうえでさらに一時居住者と定義される場合があります。一時居住者である場合は、税法の適用方法が変わります。特に、税務上のオーストラリア居住者かつ一時居住者の場合には大きな影響があります。

税務上のオーストラリア居住者

居住権テストのいずれかを満たす場合、税務上のオーストラリア居住者となります。

その場合、世界中から得た所得を全て(既に海外で税金を支払っているものを含め)申告する義務が生じます。

その際、通常であれば同一所得に対するオーストラリアの税金を減額するために国外の所得税の相殺が利用できます。

海外居住者

居住権テストを一つも満たさない方は、海外居住者となります。海外居住者には非課税限度額がなく、Medicareの課税額は支払いません。

ただし、課税対象となるオーストラリア資産のキャピタルゲインなど、オーストラリアで得たあらゆる所得は、引き続き申告する義務があります。

Higher Education Loan Program、またはAustralian Apprenticeship Support Loan(AASL)の負債を負っている場合は、全世界における所得を申請するか、タックスリターン不要通知(Non-Lodgement Advice)を提出する必要があります。

一時居住者

一時滞在ビザを保持し、本人および配偶者のどちらもSocial Security Act 1991の定義でオーストラリア居住者(つまり、オーストラリア国民や永住者)ではない場合、「一時居住者」となります。

一時居住者は、オーストラリア国内で得た所得に加えて、オーストラリアの一時居住者である間に海外で行われた雇用やサービス提供によって得た所得のみ申告する義務があります。

その他の海外所得やキャピタルゲイン等は申告する必要がありません。ワーキングホリデービザ保持者と二重居住者には別の規則が適用されます。

居住権テスト

税務上のオーストラリア居住者であるかどうかを判断するための条件は4つあります。

一つでも条件を満たす場合はオーストラリア居住者となります。オンラインツールを利用して、ご自分の状況を判断することができます。

居住条件

この条件により、「居住」の一般的意味、すなわち「恒久的ないし相当期間そこで暮らしている、定まった、もしくは日常的な住居がある、あるいは、特定の場所に住んでいる」という意味に従ってオーストラリアに居住していれば、オーストラリア居住者となります。

居住状況の判定には、物理的な所在、意図や目的、家族、事業や雇用上の関係、資産の維持や所在、社会環境や生活環境などが考慮されることがあります。

居住地条件

この条件により、居住地がオーストラリア国内にあれば、国税長官が「恒久的な住居がオーストラリア国外にある」という判断をしない限り、オーストラリア居住者となります。

居住地とは、法律上、恒久的な住まいと扱われている場所です。例えば、出身地(生まれた場所)であったり、意図的に選択した場所(恒久的に住むことを目的として住居を変更した場合)であったりします。

恒久的な住居とは、一時的あるいは過渡的な所在ではなく、ある程度の恒久性を持って住んでいる場所でなければなりません。

183日条件

この条件は、一年の半分以上をオーストラリアで過ごしていれば、オーストラリア国外に「日常的な住居」を有しておりオーストラリアに居住する意図を持たない場合を除き、オーストラリア居住者とするというものです。

すでにオーストラリアに住居を定めている場合は、海外での滞在日数に関わらず、通常、この条件は適用されません。

実際上、この条件は新しくオーストラリアに到着する人のみに関わってきます。

オーストラリア連邦年金基金条件

この条件は、一部のオーストラリア公務員でPublic Sector Superannuation Scheme (PSS) もしくは Commonwealth Superannuation Scheme (CSS) に拠出する資格を持った人に適用されます。

この条件に合致する場合は、他の条件に関わりなく(配偶者および16歳未満の子どもを含め)オーストラリアの居住者となります。

例:エミリー - 日本在住・教師

事実関係:

  • エミリーは、日本で英語教師として働くために出国しました。
  • 契約は1年間で、その後中国や他のアジア諸国を旅行してからオーストラリアに帰国し、元の仕事を再開する予定です。
  • 日本滞在中は、家族の一員として扱ってくれる家庭に同居します。
  • オーストラリアの所有不動産は、不在の間、賃貸に出しています。
  • エミリーは独身です。両親は国内の違う州に住んでいます。弟はフランスに移住しました。

結論:なぜエミリーはオーストラリア居住者なのでしょうか?

エミリーは現在日本に住んでいるとはいえ、「居住地条件」によって:

  • 居住地がオーストラリアということになります。(もともとオーストラリアに居住地があった人は、一時的に不在であったとしても、恒久的に移住する意図をもって海外に住むのでない限り、一般的には本国における居住権を維持します。)
  • オーストラリアに恒久的な住居があると見なされます。
  • これらの例は参考に過ぎません。居住権の有無は、個人的状況に照らして決定されます。
End of example

 

例:ブロンウィン - 海外で長期就職

事実関係:

  • オーストラリア居住者のブロンウィンは、海外で就職先を見つけました。契約は当初3年間で、希望すればさらに3年延長することができます。
  • ブロンウィンは夫と3人の子どもと共に海外に行くことを決めました。
  • いずれは帰国するつもりがあるので、オーストラリアの所有不動産は売らないことにしました。
  • 不在期間中は賃貸に出すことになります。
  • ブロンウィンは3年後に契約の延長を希望するかどうかは決めておらず、家族が現地での生活を気に入るかどうかを見て判断しようと考えています。
  • 契約には海外滞在中の住居手当が含まれているので、それを使って賃貸住宅に住む予定です。

結果:なぜブロンウィンは海外居住者なのでしょうか?

オーストラリアの持ち家を手放していないとはいえ、ブロンウィンが物理的にオーストラリアにいない期間や、周辺環境(海外に借家とはいえ住居を持ち、オーストラリアの家は賃貸に出している状況)を踏まえ、「居住条件」を満たしていないことになります。

以下の理由により、「居住地条件」も満たされていません。

  • 以下を考慮して恒久的な住居がオーストラリア国外となります。
    • 海外に滞在すると確定している期間の長さ
    • 海外に住居を持っている
    • 家族が同伴している
  • オーストラリアの持ち家を売らないことは、関連性はありますが、それ以外の要素を打ち消すほど重要とは見なされません。
  • オーストラリアの住居を賃貸に出していることで、不在期間中はオーストラリアの家を手放していることになるという解釈もできます。
  • これらの例は参考に過ぎません。居住権の有無は、個人的状況に照らして決定されます。
End of example

二重居住者

国内所得税法上はオーストラリア居住者であり、さらに、他国の税法上はその国の居住者である方は、二重居住者とみなされます。オーストラリアが外国と二国間租税条約を締結している場合、通常、どの国がオーストラリアおよび外国源泉所得に課税する権利を有するかを、租税条約の居住地判定によって決定します。

ワーキングホリデービザ保持者

Visa subclass 417 or 462により、オーストラリアでワーキングホリデーをしている人は、ほとんどの場合、居住状況にかかわらず固定税率が適用されます。

ワーキングホリデーまたは観光でオーストラリアに来るほとんどの人は税務上の海外居住者となります。

ワーキングホリデーとしての居住権を知りたい方は、ワーキングホリデーまたは観光で訪れている場合のオーストラリア居住権をご覧ください。

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